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小鳥(ことり)

Author:小鳥(ことり)
指差し指されの人生も、独りじゃ出来ない人の興。良も不良も時々に、白でも黒でも無いと知る。「人ではじまり、人に終わる」 ただそれだけの事。

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  • 23-6 理想と男と女と現実

「 "リー(小鳥)"ちゃん、あのね・・」

「 ん?」

「 送り迎えはガソリン代が掛かるから、出掛ける用事が無い時は家で待ってようと思うんだけど・・」

「・・・」

確かに、距離をベースに算出した通勤手当の額は二往復分が出ている訳では無く、単純に考えても生活費を圧迫している事になる。それを考えれば"葵"の提案はかなり的を突いていて、

「 だけどさぁ、一日中ここにいたら・・」

と言った"小鳥"も、

「 いいのいいの、洗濯したり掃除したり、やる事はいっぱいあるから・・ 買い物したい時は車を使いたいけど、それ以外は大丈夫だし・・」

の言葉の後には、

「 うん・・」

素直にその提案を受け入れていた。
19歳にして30万を超える給料を手にしていた"小鳥"は生活に対しての考え方はまるで甘く、働いて手にする賃金は、

( この先どんどんと増して行くに違いない・・ )

一時の低賃金も巻き返しに要する時間はそれ程掛からないと思っていて、

( そのうち・・ )

( 今にきっと・・ )

お気楽主義者の様な台詞で会話を埋める事も多かった。

そんな台詞の数々を"葵"はどんな気持ちで聞いていたのか、テレビを見つめる"小鳥"の横で考え込む事が多くなった"葵"から笑顔は減り、喧嘩をした訳でも無いのに二人の普通はだいぶ静かなものになっていった。

根拠無き夢物語ばかり語る"小鳥"の横で"葵"は、白けた思いで安堵から程遠い現実を見つめていたのである。

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