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人生とは(下書き)

18歳で地元を離れた黒井小鳥が様々な経験を重ねながら人生とは何かを導き出して行く生き様を描いた小説(下書き)

プロフィール

k.kaminari

Author:k.kaminari
腐らずに残るものの一つに文字がある。
腐らずに残せる場所の一つにネットがある。
最早私は時代の主たる所からは外れている訳で、時代遅れと称される枠組みの中で、こんな活動をしては自己満足に浸るに過ぎない。
ただひとつ、これは生きた事を後に示す手段として、子として夫として父として揺ぎ無い愛を受け、そしてそれを又注げた我が人生が何たるか、万事が感謝に還る事を漠然とながらに証明したいと願うわがままなのである。

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  • 24-8 約束

"イズミ"の電話もすっかり過去になり、巡り来る日々の苦悩が"葵"との折り合いと会社での調和で大半を占める中、仕事帰りの深夜の国道を走っていると携帯が鳴った。

てっきり"葵"だと思って出たその相手は"もぐら"で、

「 おぉ、元気してたかぁ・・」

「 えっ?」

「 何だ、忘れちまったかぁ?」

「 あ、あぁ!お久しぶりっす 」
「 すいません、今運転中だったもんで・・」

「 そうか、話せるか?」

「 はい、大丈夫っす 」

家出中に拾ってくれた時の"もぐら"とは違い、その電話から伝わって来る雰囲気は警戒心を潜めている様だった。

「 あのなぁ、俺は今、長野にいるんだ・・」

「 長野っすか?」

「 あぁ、トラックも降りちまってなぁ・・」

「 えっ、まじっすか?」

"イズミ"から聞いているとは言えなかった。

「 おぉ、それでお前にも忠告しておこうと思ってよ・・」

「 どしたっすか?」

「 いいかぁ、アイツは金に汚ねぇから、お前は戻るなんて考えねぇで自分の道を探せ・・」

「 アイツって・・」

「 "おやじ"だよ 」

「 あぁ・・」

「 ろくに寝ないでこっちが一生懸命稼いだって給料なんて出ねぇんだがんな? すっかり食われて終わっちまった・・」

「 そんな事があったっすか・・」

「 取引先から支払われねぇとか何とか言ってよぉ、ベンツだなんだを乗り回してんだがらよぉ、付いて行けねぇべ?」

「 そ、そそ、そうっすねぇ・・」

「 まっ、そんな話はどうでもいい・・ お前が戻って来たら皆で楽しくって思ってたけどよ、ちっと追われるハメになっちまってなぁ・・」

「・・・」

「 これから山梨を通って逃げるけどよ・・ お前だけには連絡しておこうと思ってなぁ・・」

「 そうだったっすかぁ・・」

やはり"イズミ"の情報は確かだった。

「 いいかぁ、絶対に誰にも言うなよ・・」

「 はい 」

「 ちゃんと済んだら連絡するからよ・・」

「 は、はい 」

「 お前は幸せになれよ・・」

「 はい・・」

そう言い終えると"もぐら"は一方的に電話を切っていた。

( 俺にも言わなければいいのに・・ )

と"小鳥"は思いながら、

( "イズミ"さんに伝えるべきか・・ )

その心は揺れていた。

しかしその後、すがる様な思いで掛けた一本の電話から始まった"もぐら"との日々を思い出すと、その恩に対してはやはり、ひとりの胸にしまっておくべきだと決め、"葵"にも話す事は無かった。

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