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人生とは(下書き)

18歳で地元を離れた黒井小鳥が様々な経験を重ねながら人生とは何かを導き出して行く生き様を描いた小説(下書き)

プロフィール

k.kaminari

Author:k.kaminari
腐らずに残るものの一つに文字がある。
腐らずに残せる場所の一つにネットがある。
最早私は時代の主たる所からは外れている訳で、時代遅れと称される枠組みの中で、こんな活動をしては自己満足に浸るに過ぎない。
ただひとつ、これは生きた事を後に示す手段として、子として夫として父として揺ぎ無い愛を受け、そしてそれを又注げた我が人生が何たるか、万事が感謝に還る事を漠然とながらに証明したいと願うわがままなのである。

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  • 26-7 本当の驚きの勘違い2

" トゥルルルル~ "

「 何!」

電話に出た"葵"の声は刺々しく、

「 あれっ?」

受話器越しにやや驚きながらも、

「 今、駐車場に居るだけど・・」

「・・・」

しかし"葵"からの返答は無く、

「 どうかしたけ?」

何は無くも何かはあったのだと思いながら問い掛けてみると、

「 あのさぁ、とっくに迎えに行ったけどさぁ、お店は閉まってるし電気は消えてるし、浮気するならもっとマシな嘘があるらぁ!」

(!?)
身に覚えの無い台詞を浴びせられる事になった。

「 何の事?」

すると"葵"は、

「 もう好きにすればいいらぁ、別に無理して一緒に居てももらわなくたってウ~・・ ヒックッヒック・・」

突然の泣き崩れを電話越しに伝え、

「 えっ?」

入れ替え作業に参加して手応えを感じていた"小鳥"のハイテンションは、いきなりの風穴を開けられた様だった。

「 アタシは帰ってるから・・」

「 ちょちょっ・・ まま、待てって・・」

「 知らんじゃん!」

「 いやいや、おまんが帰ったって俺が帰れんら!」

「 だから知らんじゃん!」

「・・・」

「・・・」

夜中の駐車場から周りを見渡せば、敷地の北を走るバイパスこそは街灯と交通によって明るく音を出していても、その他の三方は田んぼや民家に囲まれていて、しかもこの時間帯は、おそらく通常の営業時間に合わせてあるタイマーによって駐車場の照明はすでに消えていて、夜間清掃のスタッフも帰った後では車もホールスタッフの数台が一番遠い縁に並ぶのみ、店舗のシャッターも出入り口の一箇所の半開きを除いてはフルにクローズされていて、

( なるほど・・ )

確かに事情を知らぬ誰かが通り掛かれば、

( 誰もいない・・ )

そんな風に思っても仕方の無い状態だった。

「 "イー(葵)"ちゃん、ちゃんと駐車場の中まで入ったけ?」

「 えっ?」

「 今日は時間帯が違うからさぁ、照明も消えてシャッターも全部閉まってたし、それで誰も居ないって勘違いしたんじゃないの?」

「 だってアタシ、駐車場まで入ったし・・」

・・・

「 いいから早く迎えに来てよ・・ あっそれと!」

「 えっ?」

「 急がなくていいから、気をつけてな・・」

「 う、うん・・」

"葵"が到着するまでのしばらくは、ぼんやりと穏やかに、事の次第を振り返る事となった。

"葵"の服装に意見したり素行を気にしてみたり、いわゆる詮索や束縛をきつくしていた"小鳥"は、不安を抱えていたのは自分ばかりだと思い込んでいて、パチンコ店という職場に自分を送り出す"葵"の妻としての気持ちなど考えた事も無かった。

男性女性が年齢層も幅広く勤めていて、しかもそれ以上に多くの客と接するパチンコ店は、出会いの数はトラック屋の時と比べれば格段に多いのも事実で、もしかするとそこには"葵"なりの不安があったのかもしれず、"葵"が"小鳥"の浮気を疑って帰ってしまった事実は、つまりは"小鳥"が"葵"以外の誰かになびく事に対する憤慨であり、どうでもいい相手には決して込み上げる事の無い感情であると解釈出来た。

( "イー(葵)"ちゃんが俺にヤキモチを焼いている・・ )

普段は拒絶気味な振る舞いの"葵"に新たな発見をした"小鳥"は、しばらくして到着した"葵"が罰が悪そうに少しツンとしている事には触れずに、静かに車に乗り込むと、

「 遅くまでごめんね・・」

穏やかな心から生成されるままの言葉を優しく伝えていた。


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