FC2ブログ
QLOOKアクセス解析

人生とは(下書き)

18歳で地元を離れた黒井小鳥が様々な経験を重ねながら人生とは何かを導き出して行く生き様を描いた小説(下書き)

プロフィール

k.kaminari

Author:k.kaminari
腐らずに残るものの一つに文字がある。
腐らずに残せる場所の一つにネットがある。
最早私は時代の主たる所からは外れている訳で、時代遅れと称される枠組みの中で、こんな活動をしては自己満足に浸るに過ぎない。
ただひとつ、これは生きた事を後に示す手段として、子として夫として父として揺ぎ無い愛を受け、そしてそれを又注げた我が人生が何たるか、万事が感謝に還る事を漠然とながらに証明したいと願うわがままなのである。

全記事表示リンク

ブログランキング



ブログランキング
にほんブログ村 小説ブログへ

Infomation

  • 27-1 パンダ日記1

"小鳥"が勤める"ハクサイ8931ハクサイ"というパチンコ店は、真っ直ぐな島が1コースから5コースまでと、5コースの隣に通路を挟んでアーチと呼ばれる円形のエリアがあり、5コースとアーチにはスロット台が設置されている。

「 1番台はもとより、2番台3番台と上がり目に上がりまして、最終は310番台に至りますまでぇ~ 」

などと言ってはいても、実際は4と9を抜かした台番なので設置してあるのは200台である。

他の島が36台構成なのに対してアーチには20台しか無いのだが、スタッフが揃っている時は一島に対してスタッフ一人の配置が基本となっていて、

「 "黒井(小鳥)"さん、アーチをお願いします 」

連日の2時出勤が考慮されていたのかどうか、早番の時間帯ではアーチに配置される事が多かった"小鳥"は、

" 不信な行動を確認したら即報告をする事 "

に重点が置かれる役割の元で、

( これは毎日来ている常連さん・・ )

( コイツはよく台を叩く常連さん・・ )

( ん?これは初めて見るぞ・・ )

自然にも人間観察をする様になっていた。

そんなある日の事、

( おっ?)

いつもはアーチの真ん中に設置された外向きに座れる円形のソファに座って彼氏を待っているだけだった女の子が突然ひとりでやって来たかと思うと、

" ちょこんっ "

スロット台に座り、

( 打てんのか?)

これまで実際に遊戯する姿を見た事が無かった"小鳥"は変な心配をしながら見守る事になった。

この女の子は目の周りをダークに化粧していた為、

「 "パンダ"ちゃん・・」

スタッフの間ではこんなあだ名が付けられていたのだが、大概スパンコールの散りばめられたキラキラのミニスカートで来店しては色気をさらけ出しているだけで、ぐるぐると回転するリールの絵柄を狙った所で止める目押しが出来るとは思い難かったのである。

しかし"パンダ"はそんな心配を見事に裏切り、間も無くして無難に初当たりを点けると連ちゃんまでしてメダルを箱に貯め、止め時も適度にしっかりと景品に交換して帰って行き、

( やるなぁ・・ )

"小鳥"は色気よりも化粧よりも、その立ち回りの見事さに感心していた。

彼氏に内緒だったかどうか、この日を境に"パンダ"はちょくちょく一人で来店するようになり、しかも初回をまぐれでは無かったと証明する様にその後も順調に勝ちを重ね、注目を寄せていた"小鳥"は、

「 よく出しますけど、プロですか?」

「 フフ・・」

ジェットカウンターで対応している内に冗談を交わす様になっていた。

するとある時、

「 ねぇ、何時に終わるの?」

「 えっ?」

「 仕事は何時に終わるの?」

「 あぁ、11時にはだいたい・・」

「 今度会って・・」

「 はっ?」

"パンダ"はこんな事を言い、

( 冗談だよな・・ )

と受け流していたものの、その後の"パンダ"は"小鳥"の2時出勤を狙う様に連日一人で来店し、そして遂には、

「 今日待ってるから・・」

とまで言って来たのだった。

「 んん? は、はい・・」

思わず返事をしてしまった"小鳥"は、

「 どこがいい?」

更なる"パンダ"の押しを交わし切れず、

「 あ、あぁ・・ そしたら市場で11時10分・・」

帰り道の途中に見える甲府市場を口に出していた。

「 はい、コレ・・」

"パンダ"は流したメダルのレシートを受け取りながら、他のスタッフを欺くかの様に涼しい顔で紙切れを手渡して退店し、

" カサカサ・・ "

"小鳥"が人目を避けて紙切れを広げると、そこには携帯の番号が記されていたのだった。

関連記事
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

   管理者にだけ表示を許可する