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人生とは(下書き)

18歳で地元を離れた黒井小鳥が様々な経験を重ねながら人生とは何かを導き出して行く生き様を描いた小説(下書き)

プロフィール

k.kaminari

Author:k.kaminari
腐らずに残るものの一つに文字がある。
腐らずに残せる場所の一つにネットがある。
最早私は時代の主たる所からは外れている訳で、時代遅れと称される枠組みの中で、こんな活動をしては自己満足に浸るに過ぎない。
ただひとつ、これは生きた事を後に示す手段として、子として夫として父として揺ぎ無い愛を受け、そしてそれを又注げた我が人生が何たるか、万事が感謝に還る事を漠然とながらに証明したいと願うわがままなのである。

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  • 27-2 パンダ日記2

( 最近になって、急に一人でやって来て・・ )

( でも彼氏ともちょくちょく来てるしなぁ・・ )

( 仕事はたぶん水商売だろうなぁ・・ )

冷静に考えてみると"パンダ"の誘いには不可思議な点もあり、

( もしかして何かの罠か・・ )

そんな可能性も感じられた。

しかし場所を指定しておきながらバックレてしまうのは気が引けて、

( よし!)

"小鳥"は何が起こるかわからぬ待ち合わせ場所に、単身出向く決意を固めるのだった。
閉店作業を終えるといつも通りに、

「 お先に失礼します・・」

こんな時こそ、至って普通に振る舞おうとするのが人間なのかもしれない。

他のスタッフが着替え前のいっぷくをかましているのを横目に階段を降りた。

帰り道である国道20号バイパス沿いにある市場ならば、立ち寄ったとしても帰宅までのロスはほとんど無く、いつもよりソワソワしていても心はどこかに余裕を残していた。

先日の"葵"の姿が脳裏をよぎっても、

( 俺に間違いは起きないさ・・ )

そして"パンダ"からの誘いがハニートラップであれば、

( そん時は懲らしめてやる・・ )

無傷で生還する自信を根拠も曖昧に抱えて車を走らせると、立体交差をひとつ越えて、

" 甲府市場入り口 "

表札付きの信号機を確認して、そこを左に曲がった。

目の前に見えた市場入り口の正門は閉まっていたが、カカシ商運時代に失踪した"ネズミ"の代行で福川運輸に入った際に、この辺をしきりに配達して回った事があった"小鳥"は、突き当たった所から左右に続く通りが市場の外周道路になっている事を知っていた為、何と無くウインカーを右に上げると、外灯も消えて静まり返った中をやや進んだ所で車を停め、

" ガサゴソ・・ "

"パンダ"に手渡された紙切れを取り出し、そこに書かれた番号に電話を掛けた。

" トゥルル・・ "

「 ハイ・・」

すぐに女の声がして、

( うぉっ!)

おそらくの"パンダ"の声に、

「 もしもし、パチンコ屋の者だけど・・」

「 うん・・」

「 今、市場の外周にいるだけど・・」

「 アタシも・・」

「 ほぅかぁ、車で来てんのか?」

「 うん・・」

「 そしたら、どのへん?」

「 バイパスから入って、正門前を左に曲がってすぐのとこ・・ 黒の軽・・」

「 あぁ、ほいだらすぐ行くよ・・」

"小鳥"はすぐにアクセルを踏み込んで外周道路を一周して正門へと急いだ。

そして最後の左折を済ませるとスピードを落として目を凝らし、

( あれだな・・ )

対向する形で停まっている黒の軽の周辺に不審な気配は無く、それをやや通り越した辺りで車を寄せてエンジンを切った。

車外へ出ると、

" スタスタスタ・・ "

後ろから透けて見えるシルエットが運転席に座る一人だけなのを確認して、

" コンコン "

運転席側の窓を軽く叩いた。

すると、

「 遅いし・・」

下がった窓の中からこう言ったのは間違いなく"パンダ"で、

「 隣に乗ってもいいけ?」

と尋ねると、

" コクリ・・ "

"パンダ"は静かに頷き、"小鳥"は夜の闇に隠れた車内へと乗り込んだ。

「 大丈夫け?」

「 何が?」

「 彼氏はこの事知ってるのかい?」

"パンダ"はそれには答えず、

「 ねぇ・・」

「 何だい?」

「 好きになっちゃったの・・」

「 そうかぁ・・」

いきなりの告白は、どこかに悲しみを隠している様な感じがして、

" 影がある "

とはこういう事なのだろう。

"小鳥"は不意に、とてつもなく引き寄せられていた。
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