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人生とは(下書き)

18歳で地元を離れた黒井小鳥が様々な経験を重ねながら人生とは何かを導き出して行く生き様を描いた小説(下書き)

プロフィール

k.kaminari

Author:k.kaminari
腐らずに残るものの一つに文字がある。
腐らずに残せる場所の一つにネットがある。
最早私は時代の主たる所からは外れている訳で、時代遅れと称される枠組みの中で、こんな活動をしては自己満足に浸るに過ぎない。
ただひとつ、これは生きた事を後に示す手段として、子として夫として父として揺ぎ無い愛を受け、そしてそれを又注げた我が人生が何たるか、万事が感謝に還る事を漠然とながらに証明したいと願うわがままなのである。

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  • 27-3 パンダ日記3

「 彼氏と何かあったのかい?」

「 別に・・」

ガヤガヤとうるさいホールでさりげなく交わしていた会話とは違って、静かな暗がりでしっかりと届く"パンダ"の声音は少し尖っていながらもどこかが弱弱しく、果たしてこの状態が常なのか稀なのか、この時の"小鳥"は、

( 投げやりか?)

そんな印象を強く覚えたのだった。

「 どうでもいいけどさぁ、俺は結婚してて嫁がいるさぁ・・」

「 知ってる・・」

「 えっ?」

「 指輪してるじゃん・・」

「 あ、ほぉかぁ・・」

最初こそ違和感を大きく感じていた指輪もフルタイムの装着物となってしまえば無意識にもなり、敢えて見せ付ける意識も無ければ見られている意識すらも無くなっていて、ここで初めて左手の薬指にはめる指輪のメッセージ性が大きく思えた。

「 お前さん、仕事は何をしてるで?」

「 芸者・・」

「 石和か?」

「 うん 」

「 そっかぁ・・」

かつて芸者をやっていた"葵"への夢中は、取り巻く色々な男達の存在を知る度にムキに変わり、"葵"の態度が思い描く形で無い事に不安を募らせては嫉妬や束縛ばかりが目立ったが、その本質は、"葵"に認めて貰える男を目指して来た日々だった。

髪型をオールバックにして、

「 いいじゃん、いいじゃん!」

"葵"にそう言われれば喜んで続けたし、

「 ちょっとぉ~、そのゴン太眉毛はキモイってぇ~、アタシが剃ってあげるから来ぉし~ 」

などと言われれば尻尾を振って顔を差し出し、そんないちいちの取り組みは"葵"以外の誰のウケを狙ったものでも無く、

( "葵"の心が欲しかった・・ )

だけの話だった。
しかしこの度、芸者だった"葵"の好みを追求した結果、現役の別の芸者が寄って来て、

「 じゃぁ何かい? お前さんは俺にとって都合の良い女になってくれるって事かい?」

と尋ねれば、

「 うん、それでもいい・・」

こんな事を言い、

( クゥ~~~ )

普段惚れすがるばかりの"小鳥"は、急にも急に惚れすがられる側になっていたのだった。

( たった一度でもいいから・・ )

「 タバコと酒を辞めたって、"リー(小鳥)"ちゃんが居てくれればアタシは平気・・」

こんな言葉を掛けてくれる"葵"を望んでいたものの、その願いが叶う事が無かった"小鳥"にとってこの時の"パンダ"は、

( 俺に間違いは起きないさ・・ )

ついさっきまで決意を、いきなりも大きく揺さぶっていたのである。

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