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小鳥(ことり)

Author:小鳥(ことり)
指差し指されの人生も、独りじゃ出来ない人の興。良も不良も時々に、白でも黒でも無いと知る。「人ではじまり、人に終わる」 ただそれだけの事。

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  • 29-2 予兆

「 一生守って行くからね・・」

と誓って体を重ねた快楽が暮らしを快適にする事は無く、結婚当初の期待値が日々の経過と共に磨り減らされるばかりの中、自分ばかりが我慢していると錯覚していた"小鳥"は、次第に八つ当たりとも言える感情を"葵"にぶつけ、そればかりか"葵"の感性を拘束して閉じ込めてしまおうとまでしていた訳だが、その結果、精神的に大きな負担を抱える様になってしまった"葵"は、

" 病は気から "

それを証明するかの様に、ある日、体の不調を訴えた。
「 あのさぁ、背中の辺りが何だか痛むんだよね・・」

「 ん? 揉んでやろうか?」

「 うん・・」

「 どれ、ほいだらここに横になれし・・」

妙に素直な"葵"に、何だか嬉しくなってしまった"小鳥"は、

" モミモミ・・ "

調子に乗って柔肌の女体にアプローチを掛けたが、

「 あのさぁ、マジでえらいだっちことぉ・・」

「 ほ、ほうけ、ごめん・・」

それに対する"葵"のリアクションが妙に大人しかった事を受けて、少し遅れ気味に事の深刻さを感じる事となった。

「 どうで?」

「 うん、少し楽になった。ありがとう・・」

表情が重い"葵"を見つめると、急に心配が込み上げて来て、

「 ビール飲むけ?」

咎めて来たはずのビールを勧めていた。

「 いいの?」

この一言に、"葵"なりに気を使っていた事を知ると、

「 ちっと待ってろし、今持って来るわ・・」

" ドタドタ・・ "

「 ほぃっ 」

「 ありがと・・」

「 好きなだけ飲んで寝ちまえし・・」

「 ううん、大丈夫、それより・・」

「 ん?」

「 何だか今日は優しいね・・」

「 ほうけ?」

「 うん、アタシね、"リー(小鳥)"ちゃんの優しさが好きだったから・・」

「・・・」

まるでわざとらしさの無い静かな雰囲気に、

「 悪かった・・」

とても素直に言葉が出ていた。

五感を頼りに生きる人間として、その五感が些細も取り逃すまいとして集中を高める時、それはつまり、何処と無く嫌な予感が漂う時で、まさにこの時、"小鳥"は何かが迫って来る様な妙な不安を感じずにはいられなかった。



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