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小鳥(ことり)

Author:小鳥(ことり)
指差し指されの人生も、独りじゃ出来ない人の興。良も不良も時々に、白でも黒でも無いと知る。「人ではじまり、人に終わる」 ただそれだけの事。

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  • 29-6 涙の訳

"葵"の不調が解消されると信じるばかりだった"小鳥"は、

「 まぁ飲めし・・」

ご機嫌で"葵"にビールを勧め、

「 うん、ありがとう・・」

"葵"も素直に受け入れて、良好な二人がそこには在った。

しかし、そんな時間がずっと続く事は無く、数える程の日数の後には、まるで絶望の様な時間が流れる事となった。
「 "リー(小鳥)"ちゃん・・」

検査結果が出ると言っていたその日、帰宅した"小鳥"は"葵"のこの一言に重苦しい何かを真っ先に察知して、

「・・・」

ただただ"葵"の言葉を待ったが、"小鳥"を見つめる"葵"の瞳は見る見るうちに充血を強め、一瞬大きく見開いたかと思った後には大粒の涙が溢れ出て、嫌な予感が現実になる瞬間がやって来るのだと嫌でもわかった。

「 あのね・・」

「 どうした?」

「 "リー(小鳥)"ちゃん、アタシ別れる事にするよ・・」

「 はっ? いきなり何を言ってるで!」

「 だって、だってアタシ・・ グスン・・ ンウ、ウ~~・・ 」

声を押し殺す様にうつむいて泣き出した"葵"はその場に崩れ、それを包む様に屈んだ"小鳥"は、

「 言ってくれんきゃわからんら?」

検査の結果が思わしくなかったのだとどこかで諦めながらも動揺を隠していた。

「 アタシは"リー(小鳥)"ちゃんに迷惑掛けてばっかりなのに、これ以上辛い思いをさせたくないからさ、だから別れる事に決めたの・・」

「 死ぬの?」

「 死にたい・・」

「 死なないの?」

「 うん・・」

「 じゃぁ別れる必要ねぇじゃん・・ 俺、やだよ!」

「 "リー(小鳥)"ちゃんはまだ若いだから、自分の人生を大切にして、ね?」

「 や~だっ!」

「 お願いだから、別れてよ・・」

「 嫌いなの?」

「 違うって・・」

「 じゃぁ別れる必要ねぇじゃん・・ 俺、やだよ!」

突然の別れを切り出した"葵"とこんなやり取りを続けていると、いよいよ"葵"も埒が明かないと思ったらしく、

「 アタシね、リュウマチなんだって・・」

"葵"は医師に告げられた検査結果の内容を語り始め、それを語り終える頃には水浴びでもした後の様に顔面を涙で濡らしていた。

「・・・」




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