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人生とは(下書き)

18歳で地元を離れた黒井小鳥が様々な経験を重ねながら人生とは何かを導き出して行く生き様を描いた小説(下書き)

プロフィール

k.kaminari

Author:k.kaminari
腐らずに残るものの一つに文字がある。
腐らずに残せる場所の一つにネットがある。
最早私は時代の主たる所からは外れている訳で、時代遅れと称される枠組みの中で、こんな活動をしては自己満足に浸るに過ぎない。
ただひとつ、これは生きた事を後に示す手段として、子として夫として父として揺ぎ無い愛を受け、そしてそれを又注げた我が人生が何たるか、万事が感謝に還る事を漠然とながらに証明したいと願うわがままなのである。

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  • 29-7 分岐点での再確認

「 それってひどいの?」

「 骨がだんだん曲がって行って・・ それがすごい痛みがあるって・・」

「 あぁ、もしかして・・」

此処に来るまでの人生の途中で、どこかの老女に見た手の先の映像が頭に浮かんだ"小鳥"は、

「 あの指がいびつに曲がったりするヤツかい?」

「 うん・・」

「 あれって年寄りの病気じゃねぇのか?」

その言葉は"葵"の中の何かを刺激してしまったらしく、ここで"葵"は大いに取り乱した。

「 そうだよ、"リー(小鳥)"ちゃんと違ってアタシはもう年寄りのババァだっちことぉ!」

「 い、いや、ほうゆうこんじゃなくてさ・・」

「 だからさっきから言ってるじゃん!こんなババァほっといて、さっさと若い子と一緒になりゃぁいいってさ!」

「 違う違う、俺が言いたかったのは、"イー(葵)"ちゃんはまだ若くてきれいなのにさ、なな、何でそんな病気にならんきゃならんでって事でさ・・」

「・・・」

ここで少しばかり落ち着いた様な雰囲気を見せた"葵"は、

「 知らんじゃん!なんでアタシがこんなこんにならんきゃならんか、こっちが聞きたいってこと!」

実は落ち着いてはおらず、泣きじゃくりながら嘔吐の様に言葉を吐き出した。

「・・・」

そんな痛々しい姿に、迷惑を掛けたくないという主張も精一杯の強がりだと感じた"小鳥"は、

「 "イー(葵)"ちゃん・・ ねぇ、ねぇって、おぃっ、お~~~いっ 」

返事をしない"葵"の頭を撫でながら、

「 俺がず~っと傍にいるから大丈夫だよっ?」

こんな言葉を掛けた。

「 えっ?」

すると"葵"はようやく顔を上げ、

「 俺らは夫婦だよ?」

と言う"小鳥"に、

「 だって、車椅子になって迷惑掛けちゃうし、子供も生めないし、若いから進行も早いって・・ 一緒に居たって何も良い事無いんだって・・」

こんな事を言ったのだった。

「 ば~か、ば~っか! 馬鹿野郎っ、お前は馬鹿だ!」

「 グスン・・ アタシはどうせ馬鹿だよ、"リー(小鳥)"ちゃんみたいに頭良くないんだから・・」

「 ほぅじゃねえら! ほぃじゃ何だ、俺にもしもの事があって五体が不満足になったら、「 ではさいなら 」 つっておまんは別れるだか!」

「・・・」

「 俺だっていつなんどき、明日は我が身っつってなぁ、今がこの先このまんまで続いて行くとは限らんだぁ・・ もしもそんな時が来ちまったら、誰が俺の糞しょんべんの世話をしてくれるかってなぁ・・ 俺には"イー(葵)"ちゃんしかいねぇって思ってる・・」

「・・・」

「 俺は世間知らずかもしれんけど、半端な気持ちで結婚した訳じゃねぇよ!例え子供が生めなくたって、おまんが良くて、おまんが好きだから一緒になっただから、 ほんなリュウマチぐれえで別れるなんてなぁ、舐めた事を言ってるじゃねぇわ!」

「・・・」

ここから"葵"はしばらく泣き続けたが、

「 大丈夫だ・・ 俺が手にも足にもなる・・ なっ?」

と"小鳥"が言うと、

" コクリ・・ "

静かに頷き、

「 ごめんね・・」

男という生き物はいつも不器用で、泣きたい時も甘えたい時も、その表現は怒るという事に偏り勝ちで喧嘩の種にも成り易い訳だが、この時の"小鳥"に"葵"が怒り返して来る事は無く、優しく静かに謝るのだった。

" 困った時はお互い様 "

そんな言葉が似合うワンシーンの後で、

「 検査入院する様に言われたんだけど・・」

「 おぉ、そいつは行っといたほうがいいら・・」

「 いいの?」

「 何も心配しちょし、俺はいつだって傍にいるから・・」

「 ほぉで無くて、ご飯の仕度とか・・」

「 俺はもともと一人暮らしだっただよ? ちゃんと調べてもらえば安気ズラ? もしかしたら誤診って事だってあるかもしれんし・・」

「 うん・・」

"葵"の前で男気を見せた"小鳥"ではあったが、まるでこの世の惨事がここに集まっている様な事態は、

「 ついてねぇ・・」

で済まされるものでは無く、

( 何故だ・・ )

電気を消して顔が見えなくなった後の寝床では、枕に動揺を隠していた。

しかし、この出来事によって、

( 俺は、"イー(葵)"ちゃんを愛している・・ )

車椅子を押して歩く未来も実に自然体で受け入れている事に気付き、それはそれで大きな意味があった。

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