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人生とは(下書き)

18歳で地元を離れた黒井小鳥が様々な経験を重ねながら人生とは何かを導き出して行く生き様を描いた小説(下書き)

プロフィール

k.kaminari

Author:k.kaminari
腐らずに残るものの一つに文字がある。
腐らずに残せる場所の一つにネットがある。
最早私は時代の主たる所からは外れている訳で、時代遅れと称される枠組みの中で、こんな活動をしては自己満足に浸るに過ぎない。
ただひとつ、これは生きた事を後に示す手段として、子として夫として父として揺ぎ無い愛を受け、そしてそれを又注げた我が人生が何たるか、万事が感謝に還る事を漠然とながらに証明したいと願うわがままなのである。

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  • 30-8 恩恵

紙切れ一枚の入籍で盛り上がった気分は今は何処といった感じの中で、その暮らしの実態は"小鳥"一人の稼ぎを"葵"と分かち合っていて、故に一人の頃と比べてしまえば自由度は極めて少なかったが、暮らしの全てがマイナスだったかと言えばそうでは無かった。

例えば喧嘩をする相手がいる事は孤独を感じる事を遠ざけたし、困窮にもがく二人を応援しようとする人も現れれば、その恩恵に感謝する気持ちも芽生え、満たされぬ状況だからこそ得られるものがあったのである。

「 "リー(小鳥)"ちゃんが偉くなってしっかり稼げる様になったら返して貰うさよぉ~」

などと笑いながら、"葵"の母親が結婚指輪を買い与えてくれた事や、

「 今度の休みでいいからなぁ、庭の垣根の枝刈りをしてほしいだけどなぁ・・」

庭師に頼めば早い仕事を敢えて"小鳥"に頼んでは、

「 これは今日の日当だから取っとけし・・」

と"葵"の父親が間接的に生活費となるお金をくれたりもした事は、結婚とはやはり、二人だけの問題で済ますべきでは無いと思わせるには十分で、

「 ねぇ・・」

「 なに?」

「 あのさぁ、結納金って何?」

"小鳥"は"葵"に対してこんな質問をしていた。
「 えっ?」

「 いや何と無く金だって事はわかるけどさぁ、その金額とかさぁ・・」

「 てっ!"リー(小鳥)"ちゃんてさぁ、ほんとに何も知らんだね・・」

「 だ、だってさぁ、学校でほんなこん教えちゃくれんらあ!」

そこそこ嬉しそうに座り込んだ"葵"は、

「 そりゃぁそうだけど、いいけぇ・・」

お嫁に貰う代わりに50万とか100万とか、まとまった額を包んで渡すお金の事を結納金と呼ぶと説明を続けた。

しかし、

「 はっ?そんなに?」

「 本当なら両家の顔合わせがあって、そういう話もするだけど・・」

・・・

"小鳥"がすっかりと黙り込んでしまうと、

「 大丈夫だよ? 田舎だから周りからは色々聞かれるみたいだけどさ、お父さんもお母さんも"リー(小鳥)"ちゃんががんばってるのわかってるから、別にもういいの・・」

・・・

どこか諦めた様な表情を見せた。

そして、

( 俺なんかと結婚したから・・ )

結婚する事の重さと言うか何と言うか、とてもじゃないが、

「 結婚してやった 」

などとは語るに及ばぬ我が身を、我が境遇を、"小鳥"は改めて認識する事になった。


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