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小鳥(ことり)

Author:小鳥(ことり)
指差し指されの人生も、独りじゃ出来ない人の興。良も不良も時々に、白でも黒でも無いと知る。「人ではじまり、人に終わる」 ただそれだけの事。

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  • 30-9 報告

「 もしもし?」

「 あら、久しぶりね・・ 元気にしてるの?」

"小鳥"は久しぶりに母親に電話を掛けていた。

「 あのさぁ、俺結婚したんだ・・」

「 はっ?」

驚いている母親を気にせず、

「 それでさぁ、結納金が必要でさ・・」

「 ちょっとアンタ、さっきから何を言ってるの?」

「 だからさ、嫁に貰うには結納金が必要なんだって・・」

「 そんないきなり言われたって、お母さんはそのお嫁さんだって知らないし、だいたいアンタは絶縁するって言って親子の縁を切ったじゃないの・・」

母親は最もな言葉を返したが、"小鳥"の主張は更に続き、

「 うん、あの時は仕方が無かったんだ・・ "黒井"って苗字は珍しいからさ、新聞にでも載ったらすぐに俺だってわかって迷惑掛けると思ったし・・ まぁ色々あったけど大事な女性が出来てカカシ商運は辞めたんだ・・ 今はパチンコ屋の従業員として働いてるんだけど・・」

「 そう・・ でも勝手に籍を抜いておいて、今になって結納金が必要ですって話はお母さんには理解出来ないわ・・ ましてお父さんにどう説明していいか・・」

「・・・」

母親は困惑を見せていた。

カカシ商運を辞めるよりも少し前の頃、"小鳥"は母親とささいな事で口論になり、その時の勢いで絶縁を申し出ていた。

カカシ商運の専務夫婦との折り合いが付きにくくなってから正式に退社するまでの間には様々な葛藤があった。

直接的にも間接的にもやくざと関わり合いを持つ様な面々が構成するカカシ商運を辞める事は、二十歳そこそこの"小鳥"の想像力を高め、

( 新聞沙汰になったら親に迷惑が掛かる・・ )

そんな思いがあった事も確かだった。

とは言え、"葵"の存在もちらついていた時期だっただけに、追い込まれた自分に陶酔してしまっていたのも事実で、虚勢から来る無鉄砲ぶりが母親との口論を生み、よっぽどの事を言い散らした挙句の出来事だったのである。

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