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小鳥(ことり)

Author:小鳥(ことり)
指差し指されの人生も、独りじゃ出来ない人の興。良も不良も時々に、白でも黒でも無いと知る。「人ではじまり、人に終わる」 ただそれだけの事。

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  • 30-10 親と妻

「 で、結婚したのは何時?」

「 11月11日に籍を入れたんだ・・」

「 そう・・」

少しあきれた様な母親に、

「 結婚式も挙げてあげられなくてさ、結婚指輪も向こうのお母ちゃんが買ってくれて、色々と向こうの両親には世話になってて、それで俺も親がいるって思っちまって・・」

「 名前はなんて言うの?」

「 くろいことり・・」

「 アンタじゃないわよ!お嫁さんの!」

「 みたあおい・・ 今はくろいあおいだけどね 」

「 そう・・」

「 向こうは特に結納金については何も言ってないけどさ、本当は両家の顔合わせがあるって聞いたからさ、俺も何も報告しなくて悪かったけど、絶縁しても親は親だし・・」

「 まぁ取り敢えずお父さんに今日話してみるから・・」

「 あぁ、そしたら俺も"イー(葵)"ちゃんに言っとくよ・・」

それから何度か母親と連絡を取り合った後、両家の顔合わせをする事が決まり、"小鳥"の両親は山梨を訪れる事となった。

顔合わせの場所は"葵"の実家だったが、福島から車に乗ってやって来た両親をインターで出迎えた"小鳥"は、まずは自宅のアパートに案内した。

「 こちらが"イー(葵)"ちゃんだよ 」

「 はじめまして・・」

持ち前の人当たりの良さで挨拶をする"葵"に、

「 はじめまして、"小鳥"の母です・・ 本当にこんな馬鹿息子を面倒見てもらって、"イー(葵)"ちゃん?って呼んでいい?」

「 はい、全然呼び捨てで結構です・・」

「 勝手に家を飛び出したと思ったら、結婚した事も言わないで、本当にどうしようもなくてごめんなさいね・・」

「 そんな、お母さん・・ アタシこそこんな年寄りでどうもすいません・・」

「 "イー(葵)"ちゃんは歳はいくつなの?」

「 32歳です・・」

「 あら、歳なんて関係ないけど、アタシは今年で41なのよ・・ なんか妹みたいで嬉しい・・」

「「 きゃははは・・ 」」

そんな女性同士の盛り上がりの傍で"小鳥"の父親は、

「・・・」

ただ黙ってタバコをくゆらしていた。

「 あっ、"イー(葵)"ちゃん、ウチのお父さん・・」

「 はじめまして、よろしくお願いします・・」

「 どぅも・・」

そう言って首をコクリと動かすだけの父親は、どっからどう見ても不器用で、昔から言葉よりも拳で語るタイプだったが、それでもその表情は嬉しそうだった。


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