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小鳥(ことり)

Author:小鳥(ことり)
指差し指されの人生も、独りじゃ出来ない人の興。良も不良も時々に、白でも黒でも無いと知る。「人ではじまり、人に終わる」 ただそれだけの事。

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  • 30-12 流れ酒

「 ところで、"小鳥"は一人っ子と聞いてるけんど・・」

「 はい・・」

「 そうすると、今はどちらも若いからアレだけんど、いずれは福島に帰って面倒を見るって事も考えんと・・」

"葵"の父親は、"小鳥"がこのまま山梨に居る訳にもいかないのではないかという懸念を見せた。

しかしすかさず、

「 この子はとうに縁を切って籍も抜いていますし、正直私達は、老後の面倒を見てもらおうなどと思ってはおりません・・ ですから、もう子供はいないと・・ 夫婦二人暮らしにも慣れましたし、どうぞ余計な心配はしないでください・・」

"小鳥"の母親はその可能性を完全に否定し、それを聞いた"葵"の父親は、

「 ほうですか・・ ではこれで、ワタシは仕事に戻りますけど、どうぞゆっくりしていってください・・」

その場を後にした。

それからはお茶を気にした"葵"の母親が動きながら口を開き、くだけた会話で盛り上がる女達がその場を占拠したのだが、

( そろそろ・・ )

"小鳥"がこの場の終わりを意識し始めたその時、これまで首を動かすだけの沈黙を守っていた"小鳥"の父親が、

「 酒は・・」

と言い出したのだった。

「 はっ?」

と聞き返す"葵"の母親に、

「 酒はねぇのがい?」

すると、

「 アンタ何言ってんの!」

"小鳥"の母親は顔をしかめて止めに入ったが、

「 あっ、これは気が利かなんで、ウチにあるので良ければ・・」

と"葵"の母親はすでに腰を浮かしていて、

「 日本酒はあんのがい?」

「 えっ?あぁ、お父さんのがあるから・・」

その場は更に長引く様相を呈していた。

そして、

「 ほんとにどうもすみません・・」

止められないと観念した様子の"小鳥"の母親は頭を深々と下げ、

「 いいですよぉ、めでたい日なんだし、アタシも気を使われるよりぜんぜん嬉しいですから・・」

「「「 はははははっ 」」」

その場には一際大きな笑い声が響いていた。

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