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小鳥(ことり)

Author:小鳥(ことり)
指差し指されの人生も、独りじゃ出来ない人の興。良も不良も時々に、白でも黒でも無いと知る。「人ではじまり、人に終わる」 ただそれだけの事。

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  • 32-6 動揺の渦中

人はごくごく普通と称される日常からあまりにも掛け離れた現実に直面する時、最初こそ日常にあり得る事として受け入れようとする為、戸惑い動揺して取り乱すまでにはややタイムラグを生じてしまう。

そして"小鳥"もこの時、"葵"の異常事態と直面していながら、それをそうだと受け止める前に、車の陰に隠れて様子を伺っていた"葵"が"小鳥"を驚かせようとして仕組んだ作り芝居だと思ってしまったのだった。
「 おいっ 」

「 おいっ 」

横たわる"葵"の顔は反対側で見えず、

「 おいっ、"イー(葵)"ちゃん!何をふざけてるで?」

しかし見える部分の"葵"はぐったりとしていながらも小刻みに震えていて、呼び掛けても返事は無く、引きずり出す様にして抱き抱えると、"葵"は白目を向いてブツクサと何かを唱えていたのだった。

「 おいっ、大丈夫か!」

"小鳥"がいくら呼び掛けても"葵"は正気を見せず、ここで作り芝居で無いと受け止めた"小鳥"は、

「 "イー(葵)"ちゃん、何だ、どうした?」

そう言って、ブツクサと唱える"葵"の口元に耳を近付けた。

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