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人生とは(下書き)

18歳で地元を離れた黒井小鳥が様々な経験を重ねながら人生とは何かを導き出して行く生き様を描いた小説(下書き)

プロフィール

k.kaminari

Author:k.kaminari
腐らずに残るものの一つに文字がある。
腐らずに残せる場所の一つにネットがある。
最早私は時代の主たる所からは外れている訳で、時代遅れと称される枠組みの中で、こんな活動をしては自己満足に浸るに過ぎない。
ただひとつ、これは生きた事を後に示す手段として、子として夫として父として揺ぎ無い愛を受け、そしてそれを又注げた我が人生が何たるか、万事が感謝に還る事を漠然とながらに証明したいと願うわがままなのである。

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  • 33-2 妹と呼ぶ男

「 もしもし、今から帰るよ 」

「 うん、あのさぁ"リー(小鳥)"ちゃん、さっき"ロン"ちゃんから電話があってさぁ・・」

「 ん?"ロン"って、あの留置所に面会に行った人け?」

「 うん 」

「 出て来ただか?」

「 うん、とっくだってよ、まっそれはいいだけど、"リー(小鳥)"ちゃんと酒が飲みたいから帰って来たら連絡くれって言われててさ 」

「 はっ?山梨にいるだけ?」

「 うん、今どっかで飲んでるらしいだよ、"リー(小鳥)"ちゃんも明日仕事だからって言っただけど、どうしても今日が良いって言うからさ、"リー(小鳥)"ちゃんに聞いてから連絡する事になってるだけど大丈夫け?」

「 あぁ、俺はかまわんけどウチに来るだと?」

「 うん、そうみたい・・」

「 ほっか、まぁ今からだと20分位で着くから連絡してみろし・・」

「 わかった、ごめんね?」

「 何言ってるで、"イー(葵)"ちゃんを妹みたいにかわいがってくれた人ズラ?断る理由はねぇさよぉ・・」

「 うん、ありがと、じゃぁ気を付けてね 」

「 あぁ・・」
"葵"と同棲を始めて間も無くの時、それはまだカカシ商運でトラックを乗っていた頃だった。

突然、"葵"の実家にこの"ロン"という男から手紙が届き、その事を母親から知らされた"葵"は、

「 ねぇ、"リー(小鳥)"ちゃん、昔っからの知り合いで妹みたいにかわいがってくれてた人がさぁ、福生市の留置場から手紙をよこしたさぁ・・」

と帰宅した"小鳥"に告げた。

そして、

「 ん? つかまってるだか? まぁそれはいいけど何だと?」

と"小鳥"が尋ねると、

「 まぁ、読んでみて・・」

とその手紙を差し出し、"小鳥"は手紙に目を通す事になった。

「 拝啓、妹よ、元気か? 俺は元気だ 」

その内容は、聞いてもいないのに自分が元気であると伝える事から始まり、

「 妹よ、会いたい・・」

と締め括るものだったが、お世辞にも綺麗とは言えない文字に飾りの無い本心を読み取った"小鳥"は、

「 面会に行くじゃん・・」

と即座に言い、

「 えっ? "リー(小鳥)"ちゃん、行ってくれるだけ?」

と、"葵"をやや驚かせもしたものだった。

福生市と言えば東京都に属し、そこまでの道中は普段の行動範囲と比べれば遠出に値したが、この時はまだ"葵"も働いていて稼ぎもあったし、今の様にアレコレと損得勘定が働く事もなかった。

遠い昔の事の様にも思えたが、迎えた対面のあの時、アクリル板で仕切られた向こう側に熊の様なずんぐりむっくりとしたいかにも凶暴そうな40代半ばの男が捉えられていたのは確かで、一般的には警戒心を持たなくてはいけないのかもしれなかった。

しかし、アクリル板を挟んで向かい合って座る"葵"を見る時のその男の目は優しくて、一室の隅で立ったままその様子を傍観していた"小鳥"を捉えた時も、その目は喜んでいる様に映ったものだった。

そんな印象を残していた男だけに、わざわざ自分と飲みたいと言ってくれていると聞いた"小鳥"は、むしろ喜びを抱いて帰路を急いだ。

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