FC2ブログ
QLOOKアクセス解析

人生とは(下書き)

18歳で地元を離れた黒井小鳥が様々な経験を重ねながら人生とは何かを導き出して行く生き様を描いた小説(下書き)

プロフィール

k.kaminari

Author:k.kaminari
腐らずに残るものの一つに文字がある。
腐らずに残せる場所の一つにネットがある。
最早私は時代の主たる所からは外れている訳で、時代遅れと称される枠組みの中で、こんな活動をしては自己満足に浸るに過ぎない。
ただひとつ、これは生きた事を後に示す手段として、子として夫として父として揺ぎ無い愛を受け、そしてそれを又注げた我が人生が何たるか、万事が感謝に還る事を漠然とながらに証明したいと願うわがままなのである。

全記事表示リンク

ブログランキング



ブログランキング
にほんブログ村 小説ブログへ

Infomation

  • 33-3 乾杯のメッセージ

「 ただいまぁ~ 」

「 あっ、おかえり"リー(小鳥)"ちゃん!」

開いた玄関の扉から見えたのは、リビングに座る"ロン"の姿だった。

「 旦那さん、その節はどうも・・ 」

明らかに年上の男である"ロン"から旦那さんと呼ばれた"小鳥"は、

「 ども、お久しぶりっす 」

首をこくりとしながら上機嫌で靴を脱いだ。

そんな"小鳥"に、

「 "リー(小鳥)"ちゃん、足を洗ってこぉし・・」

"葵"のパスが飛び、

「 あぁ・・」

"小鳥"はいつも通り、風呂場に向かった。
浴室にはいつもには無い"葵"の笑い声がシャワーの音に負けじと届き、それを呼び水に"小鳥"の動作も早まった。

足を洗い終えた"小鳥"が"葵"が用意してくれたスゥェットに着替えてリビングに腰を降ろすと、

「 旦那さん、先に上がり込んですみませんでしたねぇ 」

と"ロン"が先手を打ち、

「 いえいえ、ほんなこんは気にしないで下さい 」

後手の"小鳥"は自分でも驚く程の温厚な返しを見せていた。

そして、

「 じゃぁ、まずは乾杯!」

"小鳥"は"ロン"が差し出したグラスよりも自分のグラスを下げて乾杯の音を鳴らした。

これは夜の石和でボーイのアルバイトをしていた頃に、とある男社会に於いては、たかが酒の席での乾杯ひとつ、軽く打ち鳴らすグラスの高い低いの差を以って上下関係を暗に示して礼儀とする事を学んでいた為、"小鳥"はこの場でそれを借りて"ロン"に対して自分が下である事を示したのである。

それを"ロン"がどう汲み取ったかは計り知れなかったが、初めて酒を共にした"ロン"は賑やかな印象が強く、それは留置場に収監されていた男とは思えない程だった。
関連記事
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

   管理者にだけ表示を許可する