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小鳥(ことり)

Author:小鳥(ことり)
指差し指されの人生も、独りじゃ出来ない人の興。良も不良も時々に、白でも黒でも無いと知る。「人ではじまり、人に終わる」 ただそれだけの事。

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  • 33-3 乾杯のメッセージ

「 ただいまぁ~ 」

「 あっ、おかえり"リー(小鳥)"ちゃん!」

開いた玄関の扉から見えたのは、リビングに座る"ロン"の姿だった。

「 旦那さん、その節はどうも・・ 」

明らかに年上の男である"ロン"から旦那さんと呼ばれた"小鳥"は、

「 ども、お久しぶりっす 」

首をこくりとしながら上機嫌で靴を脱いだ。

そんな"小鳥"に、

「 "リー(小鳥)"ちゃん、足を洗ってこぉし・・」

"葵"のパスが飛び、

「 あぁ・・」

"小鳥"はいつも通り、風呂場に向かった。
浴室にはいつもには無い"葵"の笑い声がシャワーの音に負けじと届き、それを呼び水に"小鳥"の動作も早まった。

足を洗い終えた"小鳥"が"葵"が用意してくれたスゥェットに着替えてリビングに腰を降ろすと、

「 旦那さん、先に上がり込んですみませんでしたねぇ 」

と"ロン"が先手を打ち、

「 いえいえ、ほんなこんは気にしないで下さい 」

後手の"小鳥"は自分でも驚く程の温厚な返しを見せていた。

そして、

「 じゃぁ、まずは乾杯!」

"小鳥"は"ロン"が差し出したグラスよりも自分のグラスを下げて乾杯の音を鳴らした。

これは夜の石和でボーイのアルバイトをした経験が活きたかどうか、とある男社会に於いては、たかが酒の席での乾杯ひとつ、軽く打ち鳴らすグラスの高い低いの差を以って上下関係を暗に示して礼儀としていた為、"小鳥"はこの場でそれを借りて、"ロン"に対して自分は上下の下である事を示した。

それを"ロン"がどう汲み取ったかは計り知れなかったが、初めて酒を共にした"ロン"は賑やかな印象が強く、留置場に収監されていた男とは思えない程だった。
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