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小鳥(ことり)

Author:小鳥(ことり)
指差し指されの人生も、独りじゃ出来ない人の興。良も不良も時々に、白でも黒でも無いと知る。「人ではじまり、人に終わる」 ただそれだけの事。

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  • 33-6 杯

「 ほいだら改めて 」

"ロン"は"小鳥"に対して焼酎を入れたグラスを差し出すと、

「 どうぞひとつ、非公式ながら俺と旦那さんと、これでひとつ五分と五分の兄弟分って事で・・ 」

と言った。

「 いや、五分と五分なんてとんでもない、俺はとてもそんな・・」

"小鳥"がそう言うと"ロン"は、

「 俺は留置場で初めて旦那さんを見た時、てっきり同業者かと思っただけど、"葵"に聞いたらパチンコ屋の店員だって言うから驚いただよ・・」

と言い、

「 あの、同業者と言うと?」

「 あぁ、俺は向こうでやくざの組員やってましてね、旦那さんの目は俺達と同じもんだったから・・」

「 はぁ・・」
「 勝手に"ロン"ちゃんと一緒にしなんでくれるけ?"リー(小鳥)"ちゃんはまいんち(毎日)一生懸命働いてるだから・・」

"葵"が口を挟むと、

「 馬鹿!ほれなら俺だって真面目に働いてるわ!」

と言い返し、

「「 ガハハハ 」」

"葵"と二人で大声で笑った。

「 ほれじゃ旦那さん、改めて、俺とアンタの男同士の乾杯を・・」

"ロン"がそう言って改めてグラスを差し出した時、

「 ほいじゃ"ロン"さん、せめて七三でお願いします・・」

と"小鳥"は言い、それは何と無く出た言葉に過ぎなかったのだが、それを聞いた"ロン"は、

「 わかりました、ほれじゃ俺が兄貴として、旦那さんに何かあった時には全力で面倒見させて貰いますから、どうぞ遠慮無く・・」

と真剣な眼差しを見せた。

「 はい、よろしくお願いします 」

「「 乾杯 」」

打ち鳴らした後のグラスを"ロン"に習って一気に飲み干した"小鳥"は、

「 あの、俺は"ロン"さんを何とお呼びしたらいいですか?」

と尋ねた。

「 あぁ、"ロン"でも何でも、兄貴でも兄ぃでも、好きに呼んでください 」

「 そしたら、"兄ぃ(ロン)"と呼ばせて貰います、それと俺の事は呼び捨てで良いですから・・」

「 ほうですか、ちなみに下の名前は何と?」

「 あぁ、"小鳥"です 」

「 よし、ほいだら今後は"小鳥"と呼びます 」

「 はい 」

「 ほいじゃ乾杯!」

二度目の杯を再び飲み干し、

「 おいっ"小鳥"」

「 はい、"兄ぃ(ロン)"」

と二人の男が何かを確かめ合っていると、

「 何を言ってるで"リー(小鳥)"ちゃん、こんなやくざもんはね、トドって呼べば良いだよ、ねっトド?、まったくまん丸とかわいい手をして何が兄ぃで?」

「 うるせぇ馬鹿!ひとがせっかく気分良く飲んでるっちゅうに、おばさんはちょっと黙っててくれるけ?」

「「 ガハハハ 」」

"葵"とのやり取りに全くと言って良い程にやくざらしさを見せない"ロン"に何度も笑いを誘われた"小鳥"は、この一晩を機にすっかりと好意を持ち、"兄ぃ(ロン)"と呼んで慕う事になったのだった。

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